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セニョールの独り言


≪ぶらり、スペイン・モロッコ≫(2025年6月)

【スペイン編】

スペインは今回を含めて5回目ですが、フリー旅行は50年前に半年間、35年前に3カ月間、今回は1カ月間の3回になります。

ツアー旅行は観光スポットを効率よく観て移動しますので地元との接触はほとんどなく、その国・その土地の文化度や国民性があまり分かりません。

これに対してフリー旅行は下町に入り、宿もレストランも交通機関も全て自分で手配し地元と接触しますので、それらがよく分かります。

35年前に訪れたときは50年前とあまり変化を感じませんでしたが、今回は35年でこれほど変わるものなのかと思いました。

昔はヨーロッパの田舎という感じでしたが、今や均一化され、随分おしゃれになりましたが逆に個性が薄らいできました。

やはりEUに加盟し、経済活動が活発になり、グローバル化が進んだからでしょうか。

ではその変わり様を以下に紹介しましょう。

 

働くスペイン人

カトリック教徒は蓄財を増やすことを『罪』とされ、お金儲けをすることを軽視する傾向がありました。

スペインの男はバルで朝からビールやワインをワイワイ飲み、仕事をする気はあまりないように見受けられました。

1日の仕事を午前と午後にシェアーする場面も見ました。

お金はその日のパンを食べるだけあればよく、あとは人生を楽しむことを優先していたようです。

メリメのカルメンも、ホセに「そのお金で今日1日を楽しみましょうよ。明日は何とかなるでしょう」と云ったのを記憶しています。

が、今は違います、スペイン人もよく働くようになりました。

EU加盟でより資本主義化したようです。

 

英語を話す

昔はスペイン、イタリア、フランスでは英語が通じない、特にフランスでは話せても話さないと云われていました。

スペインでは空港、ホテル、高級レストラン、ブランド店で英語が通じるくらいで、1歩下町に入るともうダメでした。

ところが今回は、バルでも食堂でもお土産店など下町でこちらがスペイン語で話しかけているのに英語で返ってきました。

グローバル化が進み、また観光客も増え、英語の必要性が増えたからでしょう。

 

時間が正確に

スペイン人はあまり時間に束縛されない国民性でした。

電車やバスは一応時刻表はありますが、発車は適当でした。

ところが今は時刻表通りに正確に発車します。

マドリード~セビリア間の新幹線は5分以上遅れたら100%払い戻しになるという話も聞きました(ホントかウソか)。

逆に言えば、遅れない自信があるということでしょう。

また、早朝移動のためホテルにタクシーを朝5時に頼んだ時、時間通りに来るかどうか心配でしたがピッタリ5時に来ました。

今や日本と変わりません。

 

カトリックの黒い洋服

都会では少なかったですが、田舎に行くと黒いカトリックの洋服を着た中高年の女性をよく見かけました。

ところが今回は全く見かけませんでした。

信仰心が薄れたのかどうかは分かりませんが、ファッション性が優先されているようです。

 

ホテル・レストラン料金が高騰

EUに加盟するまでのスペインは物価が安く、他のヨーロッパ諸国に比べて安く旅行が出来ました。

が、今回はあまりの高さにビックリしました。

特にマドリードやバルセロナの宿では、ドミトリーでも1万円前後、普通のホテルが3万円~5万円、ちょっとしたホテルは7万円以上です。

35年前はオスタルやペンションのツインが4~5千円で泊まれましたが、今や多くはドミトリーに改装されています。

高騰化しすぎたからでしょう、2万円前後でアパートメントのルーム貸しが沢山ありましたのでこれを利用しました。

またカフェテリアで食事をしても2人で1万円前後かかります。

比較的物価が安いローカル都市や田舎をノンビリ旅行することです。

 

きれいになったBAR

スペインでは何処に行ってもBAR(バル、居酒屋兼喫茶)が沢山あります。

朝から開店している店も多く、カウンターにはタパス料理(色々な料理を大皿に盛っている)が並び、地元の男性がワインやビールやコーヒーを立ち飲みしながら賑やかにやっていました。

食べたエビ・貝の殻・肉の骨やタバコなどは床に放ってもよく、床が汚れている店ほど美味しい店というバロメーターでした。

そういう雰囲気のBARでワインを飲むことを楽しみにしていましたが、今回ビックリ・ガッカリしました。

カウンターにタパス料理は並んでなく、オーダーに応じて厨房で作り、立ち飲みしている人はあまりいなく、床もきれいで整然としていました。

殻やゴミを床に放かそうものなら、追い出されそうな雰囲気です。

店の前の歩道にパラソル・テーブル・イスを並べ、おしゃれなカフェテリアに変身しているのです。

BARが一番庶民の文化度を表す場所だったのですが、スペイン人も随分行儀よくなりました。

 

スペインも訪れたい処は何度も行き、観たいモノも大体観ましたので、今回はサグラダ・ファミリア以外は観光ではあまり行かない処を回りました。

 

サグラダ・ファミリア



地下鉄から通りに出て後ろを振り向くとと「生誕のファサード」がドーン聳え立っていました。

50年前にはこのファサードが建築中で、全体の完成には100年~200年はかかるだろうと言われていました。

教会なので工事費は寄付金で賄われており、当時は数人の石工がコツコツと石ノミでブロックを作り、それを積み上げていました。

それが世界的にも有名になり、観光収入が増え(建築現場に有料で入場)、建築費が潤沢になってきたので、重機を入れドンドン工事が進みました。

「生誕のファサード」の一部と、内部のステンドグラスの一部に未完の処があり、あと1~2年で完成するところまで来ました。

構造体の柱は森の樹木をモチーフにしたらしく、ステンドグラスも赤を基調とした壁面、青を基調とした壁面にハメ込まれ、神秘的・荘厳さというよりは建築美を感じさせます。

カミニート・デル・レイ


マラガから電車で50分くらい山の中に入ったエル・チョロに、大地が二つに割れたような断崖・絶壁があります。

この断崖・絶壁の中腹にカミニート・デル・レイ(王の小道)という8キロのトレッキングルートが造られ、自然のダイナミズムを楽しむことができます。

深い所では谷底まで700mあり、スリル満点のトレッキングです。

皆ヘルメットをかぶります。

断崖・絶壁ですので入場制限があり、事前に予約をしないと入場できません。

前半は自然の造形美とスリルを楽しみましたが、後半はアンダルシアの暑さ(40℃前後)にやられ、バテて疲れました。

 

 

ロンダ


マラガから山の中に入ったところにロンダという町があります。

昔は山賊が住んでいたらしく山深く、断崖絶壁に囲まれた地形です。

旧市街と新市街は深い谷で分かれており、この谷に架かる石造りのヌエボ橋(新橋)が名所です。

またこの町のフランシスコ・ロメロという闘牛士が赤いマントを翻して牛を挑発して戦う技法を生み出したことでも知られています。

フラメンコ好きな町で訪れたのは2回目ですが、前回はバルで地元の青年がギターを弾き踊っていましたのでセニョールもワインを奢って一緒に楽しみました。

今回はたまたまお祭りで着飾った女性が広場で踊っていましたので、これを楽しみました。

この町に来ると、どこかでフラメンコに出会えます。

 

高級生ハムの村 トレベレス


グラナダからバスで3時間半シエラ・ネバーダ山系に入って行くとトレベレスという村があります。

アンダルシア特有の白い村で、家々の壁は花で飾られています。

この村は標高が1,547mでスペインで一番高地にあり、我が姫木平に似て涼しく生ハムを熟成させるのに適した気候を持っています。

イサベラ2世がこの生ハムを食して、あまりの美味しさに王家の紋章をラベルに刻むことを許したというブランド生ハム(ハモン・デ・トレベレス)です。

レストランでこの生ハムとチーズでビール・ワインを飲みながら食事をしましたが、塩分がまろやかで確かに美味しかったです。

チーズも熟成していて大変美味しく、ワインが進みました。

 ※なぜかトレベレスの標高は1,700mとか色々あるが、私は1,547m説を取る。

 

フラメンコ

タブラオ



グラナダと云えば「アルハンブラ宮殿」が有名ですがもう何度も観ているので今回はパスして、タブラオ(居酒屋に小さなフラメンコ舞台がある)に行きました。

日本など海外でのショーでは一流のダンサーが踊りますので芸術性は高いかもしれませんが、大劇場なので遠くで静かに観るという感じです。

ところがタブラオでは目の前でステップを踏み、髪を振り乱し、汗を飛び散らして踊るので迫力が全然違います。

観る側も自然と一体感が生まれ、思わず「オレーッ!」と掛け声が出ます。

フラメンコ・ショーはたくさん観ましたが、こんなに感動したのは初めてでした。

 

新幹線


スペインの新幹線AVEはマドリードとバルセロナ、セビーリア、グラナダなど主要都市を結んでいます。

帰国のためグラナダからマドリードに向かうとき、ちょっと贅沢して1等車に乗りました。

1等車は横3列(2等車は横4列)で革張りのシートでゆったりとしています。

予約をすれば食事もできます。

3時間半の列車旅でしたが、乗り心地が良いのでもっと乗っていたい感じでした。

 

レストラン ボティン(Botin)


マドリードのマヨール広場の近くにボティンというレストランがあります。

このレストランは創業1725年で、世界で最も古いレストランとしてギネスでも認定されています。

ここの子豚の丸焼き(コチニーリョ)は美味しいのでマドリードに行くと必ずここで食べます。

(本当はセゴビアの水道橋のたもとのコチニーリョが一番有名で美味しいので、こちらにも行きます)

生後20日までの赤ちゃん豚を丸焼きにしますが、皮はパリッと焼き上げ、肉はジューシーです。

店内の雰囲気も歴史を感じさせる高級感があり、マドリードでは是非ここで食事をしてみてください。

 

≪マドリードの風景≫

マヨール広場とその周辺


ベルサイユ宮殿を模して造られた王宮


≪バルセローナの風景≫

ランブラス通り

地中海を望むコロンブス



バルセロナの台所、サン・ジュセップ市場


≪マラガの風景≫

ローマ劇場とアルカサバ

カテドラル

ピカソのデッサンとセルヴァンテス(壁画)

マラガはピカソの生誕地


≪タリファの風景≫(モロッコへの玄関口、イスラム教徒に最初に占領された町)


 

※スペイン編は以上、モロッコ編は工事中