屋久島山行(2020年11月) 

(縄文杉)

(宮之浦岳)


今年は海外に行けないので、10月下旬に空気のきれいな九州・屋久島に行き太古の大自然にドップリ浸って来ました。

屋久島は島全体に山々が連なり、〝八重岳”とも、また〝洋上アルプス”とも謂われています。

南国の島なのに山では雪が1mくらい積もります。

最高峰は〝宮之浦岳”(1,936m)で、今回はこの山の登山と〝縄文杉”が目的です。

(巨木の森) 

(巨岩の渓谷)


荒川登山口から縄文杉をメインとする古代杉群の原生林を登りました。

登山口から3時間は歩き易いトロッコ道で、安房川をまたぐ木橋からは巨岩がゴロゴロしている谷底が見られます。

そしてヤクザルのお出迎えを受けながら登って行くと、三代杉や仁王杉(樹齢不明)が待ち構えています。

大株歩道からは急な山道になり整備された木階段を、ウィルソン株・大王杉(推定樹齢3000年)・

夫婦杉(推定樹齢1500年)などを見ながら、本命の縄文杉にたどり着きました。

(仁王杉)

(夫婦杉)


推定樹齢7,200年の縄文杉は樹高25.3m、胸高周囲16.4mのズングリとした樹形です。

雨の多い屋久島では古木は苔むし、そこに木の種が落ちると芽が出て根を下ろします。

縄文杉にはツツジ、シャクナゲ、ナナカマドなどが宿り、樹木というよりはもはや大地そのものです。

ゴツゴツとコブのある幹を見ると7000年の風雪に耐えて生き延びてきた永遠の生命力を感じます。

そこで知人も含めて、健康と長寿の祈願をしました。

 

この日は縄文杉から10分離れた高塚小屋に泊まりました。

屋久島の山小屋は全て無人の避難小屋で営業はしておらず、食事も自分で作り、寝袋持参でゴロ寝です。

縄文杉までであれば往復9時間くらいなので日帰りトレッキングが可能です。

大部分の旅行者はこのトレッキングを楽しんでいます。

が、縦走や宮之浦岳に登れば山中で2泊はしなければなりません。

(永田岳)

(翁岳)


2日目高塚小屋からアップダウンの登山道を山頂に向かいました。

新高塚小屋の水場近くではヤクジカも水を飲んでいました。

標高1600mくらいまではスギ、ツガ、モミなどの原生林ですが、それから上はササやシャクナゲなど低植物に変わるので見晴しが良くなりました。

登りながら永田岳や翁岳などの岩峰を楽しみました。

この山々は1500万年前に花崗岩が隆起してできたそうで巨岩がゴロゴロあります。

登山道は整備された木階段の所もありますが、雨で掘れて排水路の様になった所もあるので、雨の日は注意が必要です。


(巨岩群)

山頂(1,936m)には5時間(標準時間)で登りパノラマを楽しみました。

1900mの高さから見る水平線が自分の目の高さに見え、驚きました。

それだけ空気が澄んでいて、遠くまで見えるという事です。

同じルートを引き返しましたが、膝を庇いながらの下山ですので登りと同じくらいかかりました。

高塚小屋に帰り、呑んだコーヒーが美味く2杯ガブ飲みをしました。

3日目は白谷雲水峡に回る予定でしたが、膝の調子がおもわしくないので無理せずトロッコ道を下りました。

翌日はヤクスギランドを歩きましたが、こちらはガイドなしでも気軽に古代杉群を見られます。

屋久島がこれほど山深い島とは思っていなかったので、登りごたえ、見ごたえのある良い山行でした。

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この山行でちょっと驚いたのは、トレッキング客や登山客のほとんどがガイドを連れているという事でした。

外国の山と違い日本では中々ガイド業が成立しないのに、この島では立派に生業になっています。

世界遺産になり山慣れない観光客が増えたため、深い山のトレッキングや登山にはガイドが必要という事でしょう。

(ヤクスギランド-仏陀杉・推定樹齢1800年)

(水の森)  


 

【 トイレ事情 】

屋久島の山行はトイレが少ないので大変という情報に接しますが、避難小屋や登山ルートなど要所要所にトイレが、また携帯トイレ用のブース(テントや木造ブース)があります。

トップシーズンは順番待ちになるのでブースで使える携帯トイレを持参した方が良いでしょうが、オフシーズンは人が少ないので問題ありません。

 

【 食べ物 】

鮮度がよいので魚は何でも美味しいですが、特に〝ゴマサバ”の刺身は関サバに匹敵する美味しさで、また〝トビウオのから揚げ”も美味しかったです。

スーパーで売っている〝握り寿司”も本マグロの大トロがあり、ネタが厚く、お寿司屋さん顔負けのモノをお安く陳列していました。

その他、カツオの味噌漬け生節やサバの生節も美味しく、お土産に買って帰りました。

 

【 お酒 】

黒麹造りの芋焼酎で、〝三岳”と〝水の森”が気に入りました。

 

【 生活風景 】

泊まった宿のオカミさんやスタッフは裸足で廊下を動き回っていました。

お客さん用のスリッパはありますが、彼らは素足です。

やはり南国です。